便利さと引き換えに何かを失っている

社長の本音コラム

今まで新幹線に乗ってわざわざ東京まで出向かなければならなかったセミナー受講。コロナ禍以降、目の前のパソコンからオンラインで受講できるようになりました。

それにより新幹線代や、場合によっては宿泊代が節約でき、なにより時間の短縮がなされることはとても大きいです。
一方で、他者とのコミュニケーションを図ることは自身が体験していないことを知識としてインプットできたり、次のやるべきことを見出してくれる良いきっかけになったりします。セミナー後の懇親会や受講者同士の意見交換など、対面で得られていた機会が一切なくなったことで自分自身の視野が狭まっているかもしれない・・・そんな危機感も持っています。
今の時代、効率化を無視して事業経営することはできませんが、効率化だけを目指していてもこれまた経営できません。どんどん便利になっていく世の中の波に乗りすぎると、手間をかけていくことの大切さも忘れてしまいそうなので気を付けなければなりません。
以前、いつも飲んでいるお茶が残り少なくなってきたので、スマホを取り出してその場で注文したのですが、過去に買っておいたお茶が賞味期限切れの状態で棚の奥から出てきました……。いつでもどこでもすぐに商品・サービスが手に入ることで増える安易な購入。
私はAmazonで買い物をすることが多いので、通信販売は「送料無料」が前提です。
「送料無料」は顧客にとってとても大きなメリットで、私たちはそのサービスを当たり前として享受しています。しかしビジネスとして考えると、少々複雑な思いです。
なぜなら、その送料負担を強いられる会社が存在することでサービスが成り立っているからです。
ちなみにイギリス、ドイツなどではAmazonの無料送料サービスを受ける為の年会費は日本の2倍以上。当たり前になり過ぎてしまった便利さをどこかで断捨離していかないと、スタグフレーションが進む現在の日本では失うものの方が多くなってしまうような気がしています。

ゆい工房社長

渡邉陽一