寒いお風呂のヒートショック対策
新潟人は我慢強い ― そんな言葉を聞いたことはありませんか。
「お風呂?もちろん寒いけど、がまんがまん!」
「寒いところから熱いお風呂に入るのが気持ちいいんだ」
そんなふうに考えている人は要注意です。
お風呂でのヒートショックを防ごう
お風呂でのヒートショックが原因で、新潟市だけでも年間100人以上が命を落としていることをご存知ですか?
命に関わるヒートショックの怖さと、対策をご紹介します。
ヒートショックとは
ヒートショックとは、温度差によって血圧が急に上がったり下がったりすることで引き起こされる症状全般のことです。
例えば、暖かい部屋から寒い脱衣所に移動した場合、熱を逃さないために血管が縮んで血圧が上がりますが、湯船に浸かると血管が緩んで血圧が急降下します。
このような血圧の変動は、最悪の場合心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。最悪、命に関わる可能性もあるのです。
2018年 新潟市内の入浴時の事故発生件数と死亡人数(月別)(引用元:新潟市HP)
▲このグラフは、2018年の新潟市内での入浴中の事故の発生状況です。新潟市だけで年間100人以上が亡くなっています。
全国では年間17,000~19,000人以上が亡くなっており、交通事故の年間死者数3,000~3,500よりずっと多く、意外に身近で起こっていることがわかりますね。
お風呂のヒートショック対策
怖いことばかり言っておどかすようで申し訳ないのですが、命に関わることです。
特に高齢の方の場合は、決して他人事ではないことをぜひご理解ください。
では、命を守るためにどうしたら良いか?基本的なヒートショック対策をご紹介します。
入る前にお風呂と脱衣所を暖める
入浴前に浴室を暖めておくことで、他の部屋との温度差を少なくできます。
暖める方法はいくつかありますが、暖房器具を置くときは火災につながらないよう注意が必要です。
- 浴室に熱いシャワーをかける
- ヒーターなど暖房器具を置く
- 脱衣所にエアコンを設置する
- 浴室暖房乾燥機を設置する
浴室換気暖房乾燥機「三乾王」(引用元:TOTO)
浴室暖房乾燥機を設置すると洗濯物を干すこともでき、特にお子さんのいるお家では大変便利になります。
体調の観察
例えば飲酒後すぐにお風呂に入ると、体があたたまることでアルコールが急激に回ってしまいます。
ヒートショックだけでなく転倒の危険も増すので、注意が必要です。
- 飲酒後すぐの入浴は避ける
- 食後すぐの入浴は避ける
- 体調が優れないときや服薬直後に入浴しない
入浴方法を工夫する
熱いお湯に浸かると血圧が一気に上がり、その後急降下します。それが原因で失神、溺れてしまうこともあります。
急激な温度変化=血圧の急上昇・急降下を避けることが大切です。
- 浴槽に入る前にかけ湯をする
- 長湯しない(10分以下)
- 41℃以下の温めのお湯にする
- 出るときは一気に立ち上がらず、ゆっくり立ち上がる
お風呂以外でも温度差を防ごう
急激な温度変化が生じるところではお風呂以外でもヒートショックの危険があります。
住心地を良くするためにも、リフォームの際にはできるだけ家の中での温度差をなくし、家の断熱をしっかりと考えましょう。
リフォームの際にはついつい「広々したリビング」「おしゃれな内装」など見た目の部分にこだわってしまいがちですが、命と健康に関わる「断熱」をぜひ優先してください。
新潟では広い家が多いので、家全体の断熱を考えるとリフォーム費用が高額になってしまうケースが多いですが、住む人に合わせて「使っているエリアだけ」断熱リフォームすることも可能です。
また、ヒートショック対策はリフォーム補助金や助成の対象になります。
お風呂のヒートショックまとめ
お風呂のヒートショックについてご案内しましたが、寒いお風呂が命に関わる場合もあることがお伝えできましたでしょうか。
あなたの命と健康のために、寒いお風呂について我慢ではなくぜひ真剣に考えてくださいね。
ゆい工房では、こうした目に見えない部分もお客様に合わせてしっかりとプラン、ご提案します。
工事が完了したら終わりではなく、お客様が住み始めてから、ずっと快適に幸せに暮らせるようにすることが私達の目的だからです。
リフォームを検討する際にはどうぞお気軽にご相談ください。