「カスハラ」は誰のせい?

社長の本音コラム

令和の時代となりましたね。「令和おめでとう」というのも何だか変な感じがしますので、少し挨拶に困るところです。
さて、カスタマーハラスメントという言葉を最近耳にするようになりました。
要はお客様からの理不尽で不当な要求や脅迫などのことです。
私自身も、実際に不当な要求や脅迫を受けたことがありますが、そもそもお客様をそういう気持ちにさせてしまった原因は、ほとんどのケースで私たちにあるのではないかと思っています。
私はリフォームさせていただいたお客様を不定期に訪問して、工事後になにか不具合が発生していないか、工事個所において気掛かりな点はなかったかの確認をしております。
その際に印象的な出来事がありました。
今までもお付き合いのあったお客様の浴室と脱衣場のリフォームをさせていただき、その後訪問した際のエピソードです。
何か気になることはありませんかとお尋ねしたら、お客様の表情がくもっていたので、「これはきっと何かあるな」と思い深くお聞きしました。
リフォームの終盤に当社スタッフが脱衣場の棚を床に落としてしまい、その現場をたまたまお客様が見ていたのですが、その後棚を落としたことについての報告がなかったそうなのです。
床にはその時の落下傷が少し残っているのですが、お客様は床が傷ついたことよりも、落として傷をつけてしまったことを正直に報告しなかった当社スタッフの対応に大変ショックを受けておられました。
「ゆい工房さんを信じていたのでとてもショックです」とおっしゃっていました。
床の傷は簡単に補修することはできますが、その時のお客様の心の傷は簡単に治すことはできません。私が訪問するまでの間、毎日その傷を目にする度に複雑な気持ちになっていたであろうことは容易に想像できます。
しかしお客様はそのようなショックを受けていながらも、社長の私に告げ口するようで申し訳ないとスタッフのことを気遣ってくださっていました。
私もスタッフもお客様の安心と納得を得るために一生懸命に頑張っています。そのことに偽りはありませんが、もしもお客様の気分を害してしまうようなことがあったら、お互いのためにもその事実をそのまま教えていただきたいのです。
お客様がモヤモヤした気持ちのままなのはもちろん良くありませんし、私達にとっても、自分たちの仕事でお客様の気持ちをくもらせたままそれを自覚していないというのは大変危険なことだと思うのです。
スタッフに直接言いにくいのであれば私あてにご連絡くださっても構いません。
お客様の心が晴れやかになるよう誠心誠意対応させていただきます。
新しい時代も、これまでと変わらずやるべきことを粛々と行い、お客様の満足と自身の成長を積み重ねていく所存です。

渡辺陽一
渡辺陽一