断熱で結露を改善
寒~い新潟の冬、暖房し始めると窓にはびっしり水滴… いつの間にかサッシや木枠にカビが、ということも少なくありません。 窓や壁に結露が多く発生してジメジメする環境では、建物の中の見えないところにも結露が発生しているものです。 これを内部結露といいます。
結露で家の性能が低下?
内部結露があると家の壁の内側、天井裏、基礎などに様々な問題が発生し、最終的には大切な家の構造部分にまでダメージを与えてしまう可能性が高くなりますので、注意が必要です。
内部結露があると、どんなことが起こる?
結露によるシロアリ・腐朽菌の発生
木材の含水率が20%を超えると、木を腐らせる「木材腐朽菌」の繁殖が活発になります。
基本的に木材には防腐処理や防蟻処理が施してありますが、その効果は永遠ではありません。材木が常に濡れた状態では、よほどの低温下でない限り腐りはじめます。
そして腐った木をエサにするシロアリが発生してしまうと、短期間で家の基礎にダメージを与え、ひいては耐震性が落ちてしまいます。
結露による断熱材の劣化
冬の間、つねにに内部結露がある状態だと、湿気を含んでびしょびしょにぬれたり、接着剤がはがれたりすることにより断熱材がずり落ちてしまいます。
こうなると、ずれ落ちてしまった部分の断熱効果は期待できません。ちゃんと断熱材が入っていても寒い場合は、この状況になっている可能性があります。
断熱材が悪いとか、グラスウールが湿気に弱いとかいうことではなく、結露してしまう状況が問題なのです。
ぜんそく、アトピーに結露が関係
いつも暮らしている、安心できるはずの家で健康が害されるなんて考えたくもないですが、窓の結露がぜんそくやアトピーなどの健康被害を起こす場合があります。
サッシや枠に黒いものが点々と…そう、黒カビです。
私たちにとって快適な25℃くらいの温度はカビにとっても快適です。そこに結露で湿気が加われば、窓サッシでも枠でも壁紙でもカビが繁殖します。カビの胞子、ダニの死骸・・・それらがアレルゲンになることはよく知られています。
カビが発生したら
カビがあれば繁殖のために胞子を飛ばしますから、見つけ次第すぐに掃除してください。掃除の際も胞子が飛び散りますので、窓を開け、マスクを着用して行いましょう。
専用のカビ取り剤や塩素系漂白剤など、サッシの材質に合わせたものを使ってカビを退治し、掃除後は消毒用エタノールで菌を死滅させるようにすると、繁殖を抑えられます。
定期的なお掃除と、カビの発生原因になる結露を防ぐことが大切です。
結露を防ぐにはどうしたらいい?
結露は、工夫次第である程度防ぐことができるので、まずは結露ができる仕組みを知って有効な対策を取りましょう。
結露ができるしくみ
暖かい空気ほど、多くの水分を水蒸気として含むことができますが、逆に冷たい空気は水蒸気として保持できる水分量がすくなくなります。 (寒い冬場に空気が乾燥するのはそのためです。)
家の中は暖かいので、空気中の水分は水蒸気になっていますが、窓や窓のそばは寒いので、水蒸気が水滴となり結露します。
気密性が高く暖かい家は、家の中で発生する水蒸気が外に逃げにくい家でもあるのです。
結露を防ぐには?今日からできる行動
空気の通り道を作る
極端に冷えた場所を作らない
適切な湿度は40~60%
- 暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行きます。サーキュレーターや扇風機を使って部屋の空気を循環させましょう。
- 壁に接している家具の裏面に結露やカビは発生していませんか?空気が通るように壁と家具は離して設置しましょう。
- お風呂や料理するときは換気扇を回すなど、こまめに換気しましょう。エアコンのドライ機能や除湿器も活用しましょう。
- ガスファンヒーターや石油ストーブは、実は燃料を燃焼する際に大量の水蒸気を発生させます。エアコンやオイルヒーターは、電気なので水蒸気の発生はありません。ホットカーペットの利用もおすすめです。
「加湿」ならぬ「過湿」?!石油ストーブの上にやかん
「窓の結露がすごいので何とかしてほしい」とのご要望でお客様のお宅をおうかがいすると、石油ストーブの上で常にやかんで湯沸かしされていることが少なくありません。石油ストーブをつけないと寒くて仕方ないとのこと。新潟の冬は本当に寒いですよね・・・。お気持ちはよくわかりますが、やはり湿度の上がりすぎになってしまいます。
結露が気になる場合は湯沸かしはやめて、適度に換気しながら使用することをおすすめします。
根本的な結露の対策は?
そもそも結露ができないようにするには、外気の影響が少なくなるよう徹底的に断熱する必要があります。それには壁・窓・屋根・床下の断熱リフォームが有効です。
結露の対策、リフォームにはどんなものがある?
断熱リフォームは大規模なものから、室内だけでできる簡易的なものまで様々です。
窓サッシ交換や二重サッシ
断熱材の敷き込みや吹付け
断熱パネルの内張り
外壁に断熱塗料や断熱材
「この工事で家が暖かくなると聞いたから」などと漠然とした工事をすると、効果的でないばかりか結局無駄に終わってしまうこともあります。
なぜ結露するのか?なぜ家が寒いのか?必ずその原因を突き止めて、最適の断熱工事を選びましょう。
その際に内部結露の点検をして、柱や壁に不具合がないか確かめることも忘れずに。大切な構造部分がボロボロになってからでは、修理にかかる時間とお金が大違いなのです。